Part 3|ボギーオンで「スコア82」を達成する実戦戦略
1. はじめに|82という“現実的な夢”
「月イチでラウンドする自分が、シングル(ハンデ9以下)なんて…」そう感じるゴルファーも多いかもしれません。ですが、アマチュアゴルファーのカリスマ・久富章嗣さんは、明確にこう述べています。
「月イチゴルファーでも、スコア82は狙える。パーやバーディを“狙わない”ことが、その第一歩になる」
つまり、「飛ばさず・攻めず・欲を出さず」に組み立てた結果、気がつけば「シングル圏内」に届く――これがこのPart 3の核心です。
2. スコア82の“シンプルな構成”とは?
まず「82」というスコアがどれほど現実的かを、冷静に分析してみましょう。
▶ スコア82の内訳は以下の通り
- パー × 8ホール(スコア 4×8 = 32)
- ボギー × 10ホール(スコア 5×10 = 50)
32+50 = 合計82打
これだけ見ると、「え、バーディは要らないの?」と驚くかもしれません。そう、一つもバーディは要らないのです。そのかわり、「ダボ」や「トリプル」は絶対に出さないこと。
3. 「フルショット封印」が最大の守り
スコア崩壊のきっかけは、フルショットのミスにあります。
- ティーショットでOB
- セカンドでトップ or ダフリ
- アプローチでオーバーして3パット…
これらの失敗には共通点があります。すべて“フルショットで飛ばそう”とした結果なのです。久富氏は、これを防ぐために明快な提案をします。
✅ “アゴタッチスイング”を全ショットの基準にする
- バックスイング → 左肩がアゴにタッチ
- フォロー → 右肩がアゴにタッチ
このハーフスイングを軸にすれば、
- 力みが消える
- フェースのブレが減る
- ショットの再現性が高まる
結果として、ミスの連鎖が起きにくくなるのです。
4. 82を達成するための「5つの原則」
久富章嗣さんが提唱する「スコア82の設計図」は、5つのポイントから成り立っています。
① ティーショット&セカンドは“フェアウェイキープ100%”が目標
- ドライバーにこだわらない(7WやUTも選択肢)
- 安定する距離はキャリー150ヤードを目安に
- 目標は「方向性>飛距離」
▶ 月イチゴルファーにとっては、「200ヤードを狙ってラフ」より
「150ヤードでフェアウェイキープ」の方がスコアが出やすいのです。
② アプローチは「グリーンオン率100%」を目指す
- ボギーオン戦略なので、3打目 or 4打目でグリーンに確実に乗せることが最重要
- ピンは狙わない、直径6mの円内に乗れば成功
- 50Y・60Y・70Yのアプローチを番手別に練習しておく
✔ 落とし所は「フロントエッジ」に固定
ランで寄せる設計にすれば、ザックリ・トップ・オーバーなどのミスが減ります。
③ パーは“オマケ”と考えるマインドセット
- 「パーを狙う」のではなく、「ボギーでいい」をベースに
- チャンスが来たら自然にパーが出るだけのこと
▶ 無理な計画は「大崩れ」への入り口
守り切って「ボギーで良し」を徹底することで、プレッシャーに強くなるのです。
④ プランを変えない「一貫性」が命
- 「ティーショットが良かったから、2打目でピンを狙いたい…」
- 「今日は調子が良いから、フルスイングしてみようか…」
そんな誘惑は、**82の世界では“敵”**です。
▶ たとえ調子が良くても「設計通り」に進める
「やるべきことを、やる」
「やらないことは、やらない」
このルールを揺るがせないことが、後半のスコア維持に繋がります。
⑤ チャンスは“待つ”プレーが最強
- あえてバーディチャンスを狙わず、淡々とプレー
- ミスが出た時でも「想定内」として受け止められる
▶ 攻めることは“刺激”にはなりますが、スコアにはつながらないことが多い
この「チャンス待ち型」の姿勢が、最終的にスコア82へとつながっていきます。
5. やってはいけない“典型的な崩れパターン”
久富氏は、**「途中で欲に負ける」**ことが最大の失敗要因としています。
よくある流れ:
- ティーショット成功(ナイスショット!)
- 「これはチャンス」と思って、2打目でピン狙い
- ダフる or オーバー → アプローチ失敗
- パット数が増えてダボ
- 次ホールで焦り → OB → 大叩き
この流れを1ホールで起こしてしまうと、82が一気に90台へ崩れていきます。
6. 1年間の設計図|月イチゴルファーのための「12か月プラン」
久富氏の著書では、「月1ラウンド × 12回」で段階的に成長するプランが紹介されています。
| 期間 | 重点テーマ |
|---|---|
| 1〜3ヶ月目 | 持ち球(フック)の習得・150Yスイングの安定化 |
| 4〜6ヶ月目 | 50〜70Yのアプローチ練習(番手で打ち分け) |
| 7〜9ヶ月目 | プランを変えない習慣作り・ボギーオン設計の徹底 |
| 10〜12ヶ月目 | すべてのスキルを統合 → 82への挑戦 |
このように、**年間設計で少しずつゴルフの考え方と戦術を“上書き”**していくのです。
7. 目標達成の鍵は「正しい努力」だけ
月イチでもシングルを狙うには、
- たくさん練習すること
- 高いフィジカルを持つこと
- 飛距離を出すこと
…が必要だと思い込んでいませんか?
違います。
必要なのは、ただ一つ。
✅「再現できる設計」を守り抜くメンタル
- フルショットしない
- ピンを狙わない
- 距離を稼ごうとしない
- 無理なプランを立てない
「やらないことを明確にする」ことで、ゴルフは劇的に安定していきます。
8. 実践例:スコア82のある1ラウンド
簡単にイメージを持ってもらうために、「理想的な82の回り方」の例を示します。
| ホール | 結果 | コメント |
|---|---|---|
| 1H | ボギー | 無理せず3オン2パット |
| 2H | ボギー | ティーショット右ラフでもリカバリー |
| 3H | パー | パー3でパット成功 |
| 4H | ボギー | アプローチ寄せきれずも2パット |
| 5H | パー | パー5でフック持ち球が活きる |
| 6H | ボギー | ティーショットミスでもプラン通り |
| 7H | パー | ピン狙わずエッジ狙いが成功 |
| 8H | ボギー | 3オン狙いで安定スコア |
| 9H | パー | ハーフで41打。順調 |
→ 後半も同様に進めて、41+41=82達成!
9. まとめ|“狙わない”という攻め方が、シングルへの道
スコア82は、思い切ったチャレンジの先にある目標ではなく、
堅実に積み上げた計画の延長線上にある成果です。
| 間違った考え方 | 修正すべきポイント |
|---|---|
| 飛ばせば有利になる | 距離より再現性が大切 |
| ピンを狙うのが正義 | 安全に寄せる設計が重要 |
| バーディで稼ぐ | ミスを抑えて82を目指す |
| 調子が良ければ攻める | いつでも同じ戦略を |
最後に|あなたのゴルフが変わる“静かな革命”
「もっと練習しないと…」
「飛ばない自分には無理だ…」
そんな思い込みは、もう今日で終わりにしませんか?
- フルショットをやめる
- ピンを狙わない
- ボギーオンでいいと割り切る
それだけで、あなたのスコアは10打以上変わります。
月イチでも、80台で回る自分は作れる。
この「シンプルで深いゴルフ設計」を、ぜひ明日のラウンドから取り入れてみてください。



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