多趣味のすすめ――50代からの人生をもっと楽しむコツ

「趣味はいくつ持ってますか？」

こう聞かれて、「ひとつだけ」「特にない」と答える方もいるかもしれません。ですが私は、自信を持って言えます。趣味は多いほど、人生は面白くなると。

ここでは、私自身の経験をもとに、多趣味でいることがなぜ50代以降の人生にとって大きな価値になるのか、実例を交えてお伝えしたいと思います。

こうしたマニアックな趣味に没頭した青春時代が、今も自分の中の土台になっています。「何かに夢中になる力」は、何歳になっても自分を支えてくれるんですね。

ラジコン、サバゲー、マニアックな青春時代

若い頃は、ラジコンに熱中していました。中でも飛行機とヘリコプターに夢中で、機体の構造を理解しながら何度もクラッシュと修理を繰り返す日々。空を飛ぶまでの調整や操作は簡単ではなく、手間もお金もかかりましたが、そのぶん飛ばせたときの感動は格別でした。

その後ハマったのがサバイバルゲーム。迷彩服を着てフィールドに立ち、仲間と戦略を立てて行動する。戦術性とチームワークを問われる、まさに”週末の軍師”のような趣味でした。

今、私のアウトドアの中心はバイク旅。ホンダのX-ADVに乗って、日本全国を巡る旅を続けてきました。知らない土地を走り、風を感じ、思わぬ出会いや絶景に出会う。そんな旅の一瞬一瞬が、人生のご褒美です。

そしてその旅の記録をYouTubeにまとめたり、ブログで文章にしたりするのもまた、大切な楽しみの時間です。旅先での出来事を思い返しながら編集する作業は、まるでもう一度旅をしているような感覚になります。

音楽にもずっと興味があり、これまでピアノ、サックス、フルート、そして最近ではエレキベースにも挑戦しました。

正直に言えば、どれも長くは続きませんでした。ベースも最近「指が思うように動かないな」と感じて、潔くやめました。

でも、唯一今も細々と続いているのがギターです。ただ長いというだけで決して上手いとは言えません、初めて覚えた曲が「瀬戸の花嫁」ですから時代がわかりますね（笑）、いまでも気が向いたときに弾いてみたり、コードをなぞったりする時間が、ちょっとした癒やしになっています。

こうしていろんな楽器に手を出したことで、「自分の向き・不向き」や「音を聴く楽しさ」「表現の奥深さ」に触れることができました。挫折も含めて、全部が良い経験だったと思っています。

バイク旅はアウトドア、ブログや動画編集はインドア。どちらの趣味も、私にとっては欠かせないものです。

天気のいい日はバイクで走り、雨の日は家で書いたり、編集したり。こうして”外に出る楽しみ”と”家でこもる楽しみ”の両方を持っていると、近頃はゴルフの練習すらインドアで暑くても寒くても快適に出来ますから、どんな日でも気分良く過ごせます。

また、もしケガをしたときや、体を動かせない状況になったときでも、インドアの趣味があることで気持ちを切り替えて楽しむことができるのです。体調に左右されにくい趣味を持っておくことは、まさに人生のリスクヘッジにもなります。

一方だけだと、「今日は何もできないな」と感じる日もあります。でも、趣味が複数あると、必ずどれかは今の自分にフィットする。これは本当に心強いことです。

趣味は、楽しむだけでなく、人とつながるきっかけにもなります。

実際、バイク旅の中で出会った人々、YouTubeを通じてコメントをくださる方々、ブログの読者とのやり取り。それぞれが、自分の人生に彩りを与えてくれています。

趣味があることで、「自分を語れる」ようになるんですね。仕事の肩書きではなく、「◯◯が好きな人です」と言えるだけで、人との関係が広がります。

年齢とともに、できることが限られてくる場面も増えます。体調、体力、天気…さまざまな要因で、以前のように自由に動けない日もあるでしょう。

でも、多趣味であれば、どんな状況でも「今できること」を楽しめます。アウトドアが無理な日はインドアで。身体が疲れていても、手だけ動かせる趣味があれば十分。

ひとつに絞る必要はありません。気になることがあれば、どんどん試してみればいい。うまくいかなくても、やってみたことで何かが残る。

多趣味とは、人生を豊かにする“備え”であり、“楽しみ”そのものなのです。

シニアになって、
一つ仕事を辞めたら、一つ趣味を増やす。
できないことが一つ増えたら、できることを一つ増やす。

減ることばかりを数えるのではなく、
「増やす」ことを意識する。

この姿勢こそが、
人生を豊かにし、健康寿命を延ばすコツなのではないでしょうか。