「なぜ人はすぐに並ぶのか? 行列から読み解く“情報に操られない生き方”」

政治・経済

テレビで見た「行列」の光景に思ったこと

最近、ニュースで見かける行列の光景に、ふと違和感を覚えることがあります。

たとえば、2000円で売られている“古古古米”を求めて、長い列ができているシーン。振り返れば、似たような光景はこれまでにもありました。無料で受けられるコロナワクチンの接種会場で、寒空の下、整理券を手に並ぶ高齢者たち。あるいは、マスクが品薄になった時期に、開店前のドラッグストアの前にズラリとできた行列。

もちろん、並ぶこと自体が悪いわけではありません。ただ、そこに並ぶ人たちの表情や、背中の姿を見ていると、どこか「自分の意思で並んでいる」のではなく、「並ばされている」ように見えてしまうのです。


行列に並ぶ人たちの心理とは?

「人が行列を作ると、なぜか自分も並びたくなる」という心理があります。
心理学ではこれを「社会的証明」と呼びます。
つまり、「他の人がやっているなら正しいに違いない」と判断してしまう心の動きです。

そこに加わってくるのが、「今を逃したら損をするかも」という損失回避バイアス
人間は得をするよりも、損を避けたいという感情のほうが強く働きやすいのです。

そしてこの2つが合わさると、「よく分からないけど、とにかく今のうちに並んでおこう」という行動に至ります。
情報過多の時代、判断する材料が多すぎるからこそ、「並んでいる人の多さ」という単純な情報に頼ってしまうのかもしれません。


東京単身赴任時代の地下鉄で見た「整然とした行列」

今から30年前、私は東京に単身赴任していました。
毎朝、地下鉄で通勤していたときのこと。

朝のラッシュ時でも、ホームには整然とした行列ができていました。
しかも驚いたことに、今まさに来た電車に乗るのではなく、次の次の電車のために並んでいる人たちまでいたのです。

その光景を見たとき、「なんて真面目なんだろう」と思いました。
そして同時に、「これは日本人の美徳でもあるな」と感じたのです。

他国の大都市では、電車が到着するたびに“押し合いへし合い”で乗り込むのが普通。
しかし日本では、見えないルールと共通認識によって、人々は秩序を保とうとする。
これは日本人特有の「公共意識」と「他人への配慮」が、自然に体に染み込んでいるからこそできることなのだと思います。


いくら美味しいといわれるラーメンでも、私は並ばない

私自身、いくら美味しいといわれるラーメンでも、行列を見ただけでその店を避けてしまいます。

「並んでまで食べたい」という気持ちになれないのです。
それは単に気が短いとか、時間を惜しんでいるという話ではありません。

自分の行動を、自分で決めていたいという気持ちが根底にあるのです。
「美味しいらしい」と誰かが言っていたからではなく、「自分が食べてみたいと思ったから行く」
そんなふうに、自分の意思で判断することを大切にしたいと思っています。

そう思うのは、食べ物の話に限らず、「自分の選択を自分で決めたい」という信念からです。


情報に流される人、情報を選ぶ人

今の時代は、かつてないほど情報が溢れています。
SNS、テレビ、YouTube、ニュースアプリ…常に誰かが何かを推奨し、何かを危険だと警告しています。

そんな中で私たちは、情報に操られてしまう危険と常に隣り合わせです。

「並んでいるから正解」
「みんなが買ってるから自分も」
「今やらないと損するかも」

そう思って行動してしまうと、自分の人生の舵取りを他人に預けているようなものです。


では、どうすればいいのか。

答えはシンプルです。
「選ばれる側」ではなく「選ぶ側」になること

情報に反応して動くのではなく、
情報を一度立ち止まって見つめ、取捨選択する姿勢を持つこと。

たとえそれが少数派の行動だったとしても、
「自分はなぜこれを選ぶのか?」と問い続けることで、
情報に流されず、情報を扱う側の人間になれるはずです。


行列は“思考の縮図”かもしれない

そんなことを考えながら、私は改めて自分に問いかけています。

行列に並ぶという行動には、表面上は「ただ順番を待っている」だけに見えるかもしれません。
しかし、そこにはさまざまな心理が交差しています。

安心したい、損をしたくない、周囲に同調したい。
時には「よく分からないけど、とりあえず並んでおけば間違いない」という空気。

この「とりあえず」が積み重なると、気づけば自分で判断する力が鈍ってしまいます。

行列が悪いわけではありません。
でも、「なぜ並ぶのか?」を自分の頭で問い直す習慣は持っておくべきだと、私は思うのです。


結びに:あなたは「並ぶ人」? それとも「選ぶ人」?

このブログを読んでくださったあなたに、問いを投げかけたいと思います。

あなたは「並ぶこと」を選んでいますか?
それとも、「並ばされている」ことに気づかずに並んでいませんか?

繰り返しますが、行列に加わること自体が悪いわけではありません。
「そこに並ぶ理由」があなたの中にあるのなら、それは立派な選択です。

でも、「なんとなく」や「みんながやっているから」という理由で行動しているとしたら、
それはもしかすると、情報に操られている状態かもしれません。

これからの時代に求められるのは、情報に使われる人ではなく、情報を使いこなす人です。

選ばれる側ではなく、選ぶ側になる。
その第一歩が、「なぜ自分は並んでいるのか?」と問うことなのだと思います。

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