森永卓郎さんが命をかけて執筆した『書いてはいけない――日本経済墜落の真相』は、日本経済のタブーに真っ向から挑む問題作です。2024年3月に出版されるこの本は、森永さんが膵臓がんステージ4の告知を受けた後、死を覚悟して執筆した、まさに彼の「遺書」とも言える一冊です。経済アナリストとしての40年にわたる研究人生の集大成であり、この本を完成させることに森永さんは全力を注ぎました。
メディアが触れてはいけない3つのタブー
本書の核となるテーマは、メディアで長年「触れてはいけない」とされてきた3つのタブーです。森永さんは、テレビやラジオなどのメディアで長年活動する中で、この3つの問題に言及することが禁じられている現実に直面してきました。それらは次のものです。
- ジャニーズ事務所による性加害問題
- 財務省のカルト的な財政緊縮主義(通称「ザイム真理教」)
- 日本航空123便墜落事故の真相
これらの問題は、メディアで取り上げることが極めて困難なタブーとされてきましたが、森永さんは自らのリスクを顧みず、その裏に潜む真実を暴露しています。
ジャニーズ事務所による性加害問題
ジャニーズ事務所の性加害問題は、長年にわたって日本のエンターテインメント業界に暗い影を落としてきたものです。この問題が大きく報じられるようになったのは、2023年に入ってからですが、事実はずっと以前から存在していました。
背景と長年の隠蔽工作
2003年の東京高裁判決では、ジャニー喜多川氏によるタレントへの性的虐待が認定されましたが、主要なメディアはこれをほとんど報道しませんでした。この背景には、ジャニーズ事務所の芸能界における絶大な影響力がありました。テレビや新聞は、事務所と契約するタレントを多く抱えていたため、批判的な報道を避ける傾向にありました。そのため、被害が明るみに出ることなく長年隠蔽されてきたのです。
問題が露呈した2023年の状況
しかし、2023年に入り、BBCが制作したドキュメンタリー番組を皮切りに、世界的な注目が集まるようになりました。この国際的な圧力を受け、日本の主要メディアもついに沈黙を破り、ジャニーズ事務所の性加害問題を大きく報じ始めました。事務所の社長交代や謝罪会見が行われたものの、長年続いてきた加害の構造は根深いものがあり、業界全体の改革が必要であることが示されています。
森永卓郎さんの視点
森永さんは、この問題が「芸能界のタブー」とされ続けたことを痛烈に批判しています。特に、ジャニーズ事務所の圧力に屈してきたメディアの姿勢に強い疑念を抱いており、日本の社会全体における権力構造の歪みを象徴するものとして捉えています。
財務省のカルト的な財政緊縮主義(通称「ザイム真理教」)
森永卓郎さんが『書いてはいけない――日本経済墜落の真相』で強く批判している「ザイム真理教」は、財務省の緊縮財政主義を指しています。この用語は、財務省が「緊縮財政こそが正義であり、増税こそが国家財政を守る唯一の手段」とする教義に固執している姿勢を揶揄したものです。
緊縮財政の背景
財務省は長年にわたり、増税を通じて財政再建を行うべきだと主張し続けてきました。特に、消費税の増税がその中心に位置しています。この政策は、経済成長よりも国家の財政健全化を優先するものであり、結果として国民の生活を圧迫し、日本の経済成長を阻害する要因となってきたと森永さんは指摘しています。
ザイム真理教の問題点
森永さんは、財務省内では、緊縮政策を推進することでしか出世できないシステムが存在すると述べています。増税を提案・実施することが評価され、逆に減税を主張する者は冷遇される。この「カルト的」な組織文化が、財務省の政策が硬直化し、経済成長を阻害する原因となっていると森永さんは強く批判しています。
経済成長を妨げる緊縮政策の影響
森永さんは、日本が長期的な経済低迷から抜け出せない最大の要因として、この財務省の緊縮財政主義を挙げています。特に消費税増税は、消費者の購買力を低下させ、国内の需要を縮小させる悪循環を生み出していると指摘しています。この緊縮政策が日本経済全体に与える影響は深刻であり、成長を取り戻すためには、まずこの緊縮政策から脱却することが必要だと強調しています。
日本航空123便墜落事故の真相
1985年に発生した日本航空123便の墜落事故は、単なる飛行機事故ではなく、深い謎と隠蔽の疑いが絡んだ事件として語り継がれています。この事故は単独の航空機事故としては世界最大の犠牲者数を出し、その後の調査報告書は「圧力隔壁の破損による機械的なトラブル」が原因と結論づけました。しかし、森永卓郎さんはこの事故の背後にもっと深い闇があるとしています。
公式発表への疑念
公式な原因は圧力隔壁の破損による機械的な故障とされていますが、森永さんはその結論に疑念を抱いています。特に、当時の自衛隊や政府の対応が不自然だった点を強調しています。救助活動が大幅に遅れたことや、事故後の現場検証において不明瞭な部分が多く存在したことから、何らかの隠蔽工作が行われたのではないかと主張しています。
軍事的な関与の可能性
森永さんが特に注目しているのは、この事故に軍事的な要素が絡んでいる可能性です。当時、冷戦の最中であり、日本はアメリカと密接な軍事同盟関係にありました。森永さんは、事故が単なる機械的なトラブルではなく、何らかの軍事的な誤作動や圧力が関与している可能性があると指摘しています。これには、日米の軍事的な利害関係が関わっている可能性も考慮されるべきだとしています。
日本が主権を失うきっかけとなった出来事
この事故の真相を究明することで明らかになるのは、単なる航空機事故の枠を超えた、日本の主権に関わる重大な問題です。森永さんは、この事件を契機に日本が主権を事実上失った可能性があるとし、事故後の日本の政治的動きに着目しています。事故の真相が明らかになることで、日本が抱える国家としての問題も浮き彫りになると森永さんは述べています。
森永卓郎さんの『書いてはいけない――日本経済墜落の真相』は、これらの重要なテーマに深く切り込んでおり、日本が抱えるさまざまな問題を白日の下に晒しています。この本を通じて、私たちが普段見聞きしている情報の裏にある真実に目を向けることが求められているのです。
ステージ4の森永さんの捨て身の著書は読んでほしい
『書いてはいけない――日本経済墜落の真相』は、森永卓郎さんが膵臓がんステージ4の告知を受けた後、命をかけて完成させた捨て身の著書です。告知を受けた瞬間、彼が考えたのは「何を食べたいか」や「どこに行きたいか」ではなく、「この本を世に出すこと」でした。この著作は、彼の40年にわたる研究者人生の集大成であり、日本経済の深層に切り込む「遺書」とも言える作品です。
森永さんの命がけの告発を多くの人に読んでもらい、日本が抱える根深い問題に対して、深く考えるきっかけにしてほしいと強く思います。経済や社会に関心がある方はもちろん、日本の未来に向けて行動を起こしたいと考える全ての人にとって、必読の一冊です。
最後に
『書いてはいけない――日本経済墜落の真相』は、森永さんの長年の経験と研究、そして彼の命がけの決意が込められた一冊です。日本経済の真実に迫るこの本は、多くの人々に読まれるべき作品です。私たちが普段見聞きしているニュースや情報の裏側にある真実を知り、自分の意見を持ち、今後の日本について考えるための重要な手がかりを提供してくれるでしょう。
森永卓郎さんが命をかけて残したこの告発を、多くの人が受け取り、次の世代へとつなげていくことが、今を生きる私たちの責務かもしれません。
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