“本気”のゴルフ【第3回】あえて減らすという選択──ミニマムクラブで目指す“リハビリゴルフ”

ゴルフ

前回、第2回のブログでは、道具を一新して再スタートする決意と、それにともなう新しいクラブセットについてご紹介しました。

ただし、実際にウッド、ユーティリティ、アイアンとすべてを揃えて持ち歩くとなると、やはりシニア世代にはなかなかの負担です。体力的にも、スイング精度的にも、そして判断力という意味でも、“選択肢が多すぎる”ことがゴルフを難しくしてしまうのです。

そこで今回は、「クラブを減らしてシンプルにする」という考え方に切り替えてみようと思います。

選んだクラブは、この8本

私がゴルフを始めたころは“ハーフセット”といって奇数番手だけのセットがありました。というか、当時は初心者はハーフセットでゴルフを始めるのがごく普通のことだったのです。

それを思えば、今回私が選んだ8本という構成は、まさに原点回帰ともいえるかもしれません。

新しい自分にとって必要最低限で、かつ汎用性が高く、実戦で使いやすいクラブを選びました。

  • ドライバー(短尺・高反発) ワークスゴルフハイパーブレード ガンマ 10.5° 43インチ
  • 7番ウッド ミズノ SURE DD 2.0 FW 23° 42.25インチ
  • 6番ユーティリティ ミズノ SURE DD-MI マルチアイアン 26° 38.5インチ
  • 8番アイアン MIZUNO◆シュアSURE DD SI 31° 36.5インチ
  • 9番アイアン MIZUNO◆シュアSURE DD SI 37° 36.5インチ
  • ピッチングウェッジ(P) MIZUNO◆シュアSURE DD SI 43° 36.5インチ
  • サンドウェッジ(SW) ミズノ SCUD ウェッジ 58° 35.75インチ
  • パター ODYSSEY WHITE HOT XG#1

これで合計8本。14本まで使えるルールの中で、あえて半分程度に絞る。 これは「減らす勇気」であり、「自分を知る作業」でもあります。

それぞれのクラブには、明確な役割があります。 ドライバーはティーショット専用。5番ウッドで長めの距離を狙い、6番ユーティリティはラフからの対応ややや距離のあるセカンド。アイアンはショットの中心を担い、8番・9番で安定感のあるミドルショットを打ち分けます。そしてPとSWでグリーン周りの距離感を繊細に調整し、最終的にはパターで締める。

これだけあれば、私のゴルフには十分です。

■なぜクラブを減らすのか?

理由はシンプルです。

  1. クラブ選択に迷わない → 考える時間が減り、リズムがよくなる。
  2. 無理な距離を狙わない → 体に優しいスイングを心がけられる。
  3. 自分の“得意な番手”に集中できる → 成功体験が積み重なる。

年齢とともに集中力も瞬発力も落ちてくる中で、クラブを減らすということは、実は非常に理にかなっています。 「次、何で打とう?」と毎回迷っていた時間がなくなり、その分コースマネジメントに集中できます。

「この番手で届かなかったら、潔くボギーにする」 「この番手なら絶対にミスしないように丁寧に打つ」

そんなふうに、ゴルフがより戦略的で、シンプルなものに変わっていきます。

■目指すゴルフは「ボギーペース」

私は今、スコアを追いかけるつもりはありません。 目標は「全ホールをボギーで回る」こと。つまり、ハーフで45、トータルで90というペースです。

70台やベストスコア更新を目指すのではなく、 “無理なく”、“楽しく”、“長く続けられる”ゴルフを目標にしています。

ここで誤解されたくないのは、「諦めてボギーでいい」と思っているわけではないということです。 私はむしろ、「ボギーを戦略的に狙うゴルフ」に切り替えたのです。

すべてのホールで、確実に“ボギーオン”を狙っていく。 つまり、グリーンに3オンして2パット、これを全ホールでやりきる。 この考え方にシフトしたことで、むしろゴルフの面白さが増すのではないでしょうか。

そして、もしどこかで1つパーが取れれば、それだけでスコアは89。 2つ取れれば88。無理をしなくても自然と「ボギーペース+α」が実現できるようになります。

この「常にボギーオン狙いでいく」スタイルは、ミスを減らし、プレッシャーも減らし、何より安定感をもたらしてくれます。

これが、今の私にとって理想的なゴルフの形です。

もちろん時にはパーが取れるかもしれないし、逆にダブルボギーになることもあるでしょう。 でもそれも含めて、「90で回る」というペース感は、心の余裕にもつながっています。

■ゴルフは「削ぎ落とす」ことで上達する

YouTubeチャンネル「チップゴルフ」でも、クラブ本数を減らすことの意義について非常に納得のいく解説がされています。

番手が多いことで「備えあれば憂いなし」と思い込んでいたけれど、実際に使っているクラブはいつも決まっていて、「じゃあなんで14本も持っているの?」という問いかけはまさに的を射ていると感じました。

動画内では、「スプーンや3番ウッドは、実は1ラウンドでほとんど使われていない」「女子プロでさえ5番ウッドを抜くこともある」など、現実に即したクラブ選びの視点が紹介されていました。

特に共感したのは、「苦手なクラブを入れておくと、つい使ってしまってミスにつながる。だったら最初から入れないほうがいい」という発想です。

本数を減らすことで1本あたりの練習密度が上がり、結果として技術も磨かれる。クラブに頼らず自分のゴルフスタイルを作るという考え方は、私の“ミニマムクラブ戦略”ともぴったり一致しています。

このように、今は「道具を減らすこと=上達の近道」と捉える風潮が広がっていることも、非常に心強く感じています。

そしてもう一つ、私がゴルフから手放したものがあります。それは「変なプライド」や「恰好をつけること」、そして「見栄を張ること」です。

若いころは、自分がどう見られているかを常に気にしていました。「このクラブじゃないと恥ずかしい」「ここは無理してでも乗せたい」──そんな無意味なこだわりが、逆にプレーを難しくしていたのだと、今では思います。

それらを手放すと、ゴルフはガラリと変わります。結果に素直になれるし、自分に合った選択ができるようになる。そして何より、ゴルフを“楽しむ”という本質に立ち返ることができるのです。

「実際、8本で足りるのか?」と心配される方もいるかもしれません。 でも、私の経験上、14本すべてを使い切ってラウンドを終えた記憶は、おそらく一度もありません。 全てのクラブを持ち込むというのは、ある意味“保険”のようなものです。 「万が一この距離が来たらどうしよう」「このライのためにこれが必要かも」──そんな不安を埋めるために、たくさんのクラブを担いでいたのだと思います。

けれど今、私はそういう“気休め”を手放してみようと思ったのです。 無駄な時間を減らし、無駄な判断を避ける。 そのためには、クラブの選択肢そのものを減らすのが一番早いのです。

「迷わない」ということは、シニアゴルフにおいて最も重要なことかもしれません。 判断に時間を使わず、自分の中で“これしかない”という前提を作っておく。 その境地にたどり着けたのは、年齢を重ねた今だからこそです。

ある意味では、“諦める”ことの価値に気づいたとも言えます。 諦めという言葉にはネガティブな印象がありますが、 ここで言うのは「潔く受け入れる」「割り切って楽しむ」という意味です。

それこそが、私が今実践している“シニアゴルフ”の本質だと感じています。

かつては、何本もクラブを揃え、細かく打ち分けることに喜びを感じていました。 ロブショット、ハーフショット、スピンコントロール…いろんな技術を駆使しながら、スコアを1打でも縮めることに躍起になっていた時期もありました。

でも今は、もっと“シンプルなゴルフ”がしたい。 むしろ、「これしか選択肢がない」という環境の中で、いかにそのクラブで工夫して乗り切るか?という“脳トレ的な楽しみ”が増えた気がします。

たとえば、8番アイアンで転がすアプローチを覚えたことで、SWを振り回す機会が減り、結果的にスコアが安定したこともあります。 あるいは、風の強い日はユーティリティで抑えたスイングを使って、安全にグリーンを狙う判断ができるようになったり──。

選択肢を減らすことで、選択に強くなる。 それが、このミニマムクラブ戦略の一番の利点だと思います。

■90で回るということの価値

「80台に届かなくてもいい」「90で回れば大成功」 そんなふうに目標を切り替えたことで、プレー中の気持ちがとても楽になりました。

ラウンドの中盤に少し崩れても、「ボギーペースならまだ立て直せる」と思えるし、 同伴者のプレーにも余裕をもって接することができるようになります。

また、持ち運ぶクラブが軽くなることで、身体的な疲れ方も全く違います。 カートが使えないラウンドでも、ミニマムクラブなら歩いて回るのも苦じゃない。 クラブの選択だけで、こんなにもゴルフのスタイルが変わるのかと驚いています。

■まとめ:引き算のゴルフが、これからを変えていく

クラブを減らすというのは、一見“後退”のように思えるかもしれません。 でも実際には、これは“進化”だと私は思っています。

体力、視力、反応速度…いろいろなものが落ちていく中で、 ゴルフの楽しみ方も、変化に合わせて変えていくことがとても大切です。

これからは、無理をせず、足るを知るゴルフ。 引き算の先にある、穏やかで知的なゴルフライフを歩んでいきたいと思います。

次回は、実際にこのミニマムクラブでラウンドした感想や、想定以上に便利だったクラブ、苦戦した状況などをリアルに振り返ってみたいと思います。

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