自分を変えたい人へ:認知科学コーチングで人生を進化させる方法

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「今の自分を変えたい」──そう思ったことがある人は多いでしょう。けれど実際に変われる人は、ほんのひと握りです。それはなぜでしょうか?その答えを村岡大木さんの著書『自分の変え方 認知科学コーチングで新しい自分に会いに行く』が科学的な視点から教えてくれます。

なぜ人は変われないのか?

私たちは「変わりたい」と思いながらも、なぜか毎日同じ選択と行動を繰り返しています。その理由は、私たちの体と心が「変化を避け、現状を維持する」ようにプログラムされているからです。

この仕組みは「ホメオスタシス(恒常性)」と呼ばれます。たとえば体温や血糖値が一定に保たれるように、私たちの行動や心理状態も安定を保とうとするのです。これはかつての狩猟生活で生き残るために必要だった本能です。新しいことに挑戦するより、いつもと同じことをしていた方が危険が少ない──だから変化を避けるという行動が染み付いているのです。

つまり、変化を恐れるのは「意志が弱いから」ではなく、脳の構造上の反応なのです。

意思決定の95%は「無意識」が握っている

もう一つ大きな障壁が、「無意識による意思決定」です。ハーバード大学のジェラルド・ザルトマン教授の研究によれば、人間の意思決定の95%は無意識によって行われています。つまり私たちは、自分の意志で選んでいるつもりでも、実際にはほとんどを”オートパイロット”で動いているのです。

ここで重要になるのが「RAS(網様体賦活系)」という脳のフィルター機能。RASは、私たちが見聞きする情報の中から「重要だと感じるもの」を選別します。そして何を重要と判断するかは、「重要関数=価値基準」によって決まっています。

つまり、人生を変えたければまずは「自分の価値基準」を変えることが必要なのです。

自分を変えるための5つの本質的ステップ

ステップ1:自分を「捨てる」のではなく「進化」させる

私たちが「変わる」というと、まったく別人になることを想像しがちです。しかしそれは誤解です。本書が提唱する「変化」とは、「今の自分の延長線上での進化」。

たとえばポケモンのピカチュウがライチュウに進化するように、自分のアイデンティティは保ちつつ、能力や意識を高めていくのが真の変化です。

ステップ2:無意識の価値基準(重要関数)を変える

「今のままでもいいや」と思わせているのは、無意識に根ざした価値観です。これを変えることで、RASが選び取る情報が変化します。たとえば、出世が大事だと思っていれば、職場の評価や同僚との競争が気になるでしょう。でも「自由な生き方」が大切だと思うようになれば、フリーランスの成功例や、自然の中で暮らす人の話にアンテナが向くようになります。

ステップ3:自分の外側にゴールを設定する

現状の延長では到達できない、想像すら難しいゴールをあえて設定します。たとえば「定年後に英語を学んで海外一人旅に行く」「自分史を出版する」などがその例です。

このときのコツは、「想像できるレベルの非現実」。まったく現実味のない目標では自己効力感が湧かず、逆に達成できそうな目標では変化を促しません。

ステップ4:根拠のない自信(自己効力感)を持つ

変化に必要なのは、「できるかどうか」ではなく「できると思えるかどうか」です。この自己効力感は、自分の未来像をリアルに思い描くことで高めることができます。

たとえば、YouTuberになった未来の自分を想像する──動画を作り、視聴者のコメントに反応し、収益を得て生活する姿をできるだけ臨場感たっぷりにイメージすることが重要です。

ステップ5:未来の自分をコンフォートゾーンにする

強い臨場感で未来の自分を想像すると、今の自分のままでは居心地が悪くなります。脳は「現状が不自然」「未来の姿こそが自然」だと感じるようになります。するとRASが自動的に行動を変えるように働きかけ、無意識レベルで未来に向かって進み始めるのです。

習慣化のための3ステップ

1. 自己決定

「変わりたい」ではなく「変わる」と自分で決めること。他人に言われてではなく、自分自身で決断することが最初の一歩です。

2. 自己理解

「避けたいこと」「止められてもやってしまうこと」「やるとうまくいくこと」の3点を書き出し、自分の行動傾向を見える化します。

3. 達成不可能なゴールの設定

現実離れしすぎていないが、今の自分では到達できない目標を設定します。そのゴールに臨場感を持てるかどうかがカギです。

最後に:人は何歳でも進化できる

本書では、60歳を過ぎてからでも「小さな農園を始める」「地域ガイドになる」「自分史を書く」など、さまざまな変化の可能性があると説いています。大切なのは、年齢ではなく「どんな未来を想像するか」「その未来に臨場感を持てるか」です。

変化は苦しいものです。でもそれは、ホメオスタシスが働いている証拠。違和感を感じながらも一歩ずつ進めば、やがてその未来が”当たり前”になります。

あなたも、自分の進化の可能性を信じて、一歩踏み出してみませんか?

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