“本気”のゴルフ【第1回】十数年ぶりにゴルフ再開を決めた日

ゴルフ再開

自慢ではありませんが、かつて私はハンディキャップ5でプレーしていた時期があり、ベストスコアは71。真剣にゴルフに向き合い、競技にも積極的に参加していた時代がありました。

そんな私の話です。

65歳を前にして、私はもう一度ゴルフに向き合ってみることにしました。

クラブをまったく握っていなかったわけではありません。練習場には時おり通っていましたし、数年に一度は友人に誘われてラウンドにも出ていました。ただ、それは付き合いとしてのゴルフ。かつてシングルプレーヤーとして競技に本気で取り組んでいた頃とは、まるで違うものでした。

今回、再び本気でゴルフに取り組もうと思ったきっかけは、一つではありません。いろんな要因が重なって、自然と「やるなら今しかない」と思えるタイミングが来たのです。

肩の痛みと向き合って

私は50肩を長年抱えていました。完治とはいかないまでも、最近ようやく肩がある程度動くようになってきたのです。動くようになってきたというより、「使える状態に慣れてきた」と言ったほうが正しいかもしれません。

「もう二度とゴルフはできないかもしれない」と思っていた時期もありました。でも、だからこそ、今再びやってみようと思ったのです。今始めれば、もしかしたら80歳までゴルフを楽しめる体を維持できるかもしれない。その可能性に賭けたくなったのです。

60歳を超えれば、どこかしら痛みや不調を抱えていて当たり前です。私自身も、肩以外にも膝や腰に不安があります。でも、それがゴルフをやらない理由にはなりません。むしろ、そうした痛みを抱えながらでも楽しめるのが、ゴルフというスポーツの魅力なのだと思います。

なぜなら、ゴルフは唯一ハンディキャップのあるスポーツだからです。年齢や体力の差、経験の違いがあっても、それを埋め合わせる仕組みがある。だからこそ、誰とでも、いつまでも、一緒に楽しめるスポーツなのです。

変わったのは自分だけではない

再びゴルフを始めようと決めてから、練習場に足を運ぶようになりました。そこでまず驚いたのは、周りの景色が自分の記憶とまるで違っていたこと。

若いゴルファーがスマホを見ながらスイングチェックをしていたり、YouTubeの動画を見ながら練習していたり。昔は本や人のアドバイスがすべてだったのに、今は情報が手のひらにある時代です。

クラブの性能も驚くほど進化していました。ワンレングスアイアン、短尺ドライバー、やさしいフェース設計。飛距離が出て、ミスにも強い。昔の感覚のままで試打すると、戸惑うことさえあります。

そして何より、ゴルフ理論そのものが変わっている。 シャローイングや地面反力、フェースローテーションの抑制など、かつては聞いたこともないようなキーワードが飛び交っています。

かつての「下半身リード」「タメを作れ」という言葉から、より科学的・合理的な説明へ。ゴルフは今、感覚とデータの両方を使って進化しているのです。

これは、以前バイクの大型免許を取りに行ったときに感じたことと、どこか通じるものがありました。新しいルールや標識、新しいバイクの構造を知ることで、かつての乗り方に対しても「なるほど」と思うことがたくさんあったのです。ゴルフの再開でも、まさに同じような“新しい気づき”が次々にやってきました。

練習環境も大きく変わっていた

もう一つ、再開の後押しになったのが「環境の変化」でした。

今や、室内にシミュレーターを備えた無人の練習施設が増え、一人でも気軽にスイングチェックやラウンドシミュレーションができる時代です。24時間営業、スマホ予約、おひとり様ゴルフ、キャッシュレス決済――どれもゴルファーにとってはありがたい環境です。

そしてもう一つ、大きかったのが「自分の時間が増えたこと」でした。現役時代は仕事に追われていた毎日でしたが、今は時間の使い方に自由があります。その自由な時間を、ただ過ごすのではなく、“ゴルフという形で楽しむ”という選択ができるようになったことも、再開の大きな要因でした。

「付き合いゴルフ」ではなく、「自分のペースで、自分のために」できるゴルフが、そこにはありました。

気がつけば、ゴルフは安くなっていた

ゴルフの経済的ハードルも、昔と比べてぐっと下がっています。

中部地区では、平日なら5,000円程度からラウンドできるコースが増えました。昼食付き、乗用カート付きでこの価格。高くても1万円を切るコースがほとんどです。

バブルの頃には平日で2万円、週末で3万円というのが当たり前だった時代から考えると、まさに隔世の感です。

今は、贅沢な趣味というよりも、健康維持とリフレッシュのための日常的な娯楽としてゴルフを楽しめるようになってきました。

あれ?プロの試合、こんなに少なかったっけ?

再びゴルフに目を向けてみたとき、ちょっと驚いたことがありました。 それは、「プロの試合、なんだか少なくなっていないか?」ということ。

もちろん、これは正確な統計を見たわけではなく、あくまで体感です。 昔は男子ツアーも女子ツアーも、週末になれば当たり前のようにテレビ中継がありました。 でも今は、「あれ?今週やってる試合あるの?」と、番組表を探すこともあります。

ゴルフ人口やスポンサーの減少が背景にあるのか、あるいはメディアの関心が変わっただけなのか。 理由ははっきりしませんが、“ゴルフ界の空気”が少し静かになってきたような印象を持ったのは事実です。

思えば、ゴルフは「見るスポーツ」だった時代がありました。テレビでプロの試合を観て、憧れ、学び、真似する。そんな時代でした。

でも今は、「プレーする側」に比重が移っているように感じます。プロツアーの華やかさよりも、自分自身のラウンド、仲間との時間、健康づくり。その価値が見直されているのかもしれません。

そんな時代だからこそ、「自分自身が楽しむゴルフ」の価値が高まっているようにも思います。「自分自身が楽しむゴルフ」の価値が高まっているようにも思います。

結局は、自分の時間を自分のために使うということ

あれこれ理由を挙げてきましたが、結局のところ本音は一つです。

「自分の時間を、自分のために、有効に、豊かに使いたい」

その手段として、私はゴルフを選びました。

かつて真剣に取り組んでいた趣味に、再び火を入れる。それは少し勇気がいりますが、そのぶん心が満たされる感覚があります。

痛みや衰えを抱えながらも、「今の自分としてのゴルフ」を始める。 それが、私にとっての再スタートです。

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