今回、ゴルフを再開するにあたって決めたのは、「道具を一新する」ことでした。これまで使っていたのはゼクシオのアイアンとドライバー。軽量で振りやすく、シニア向けにカーボンシャフトが入っていたモデルで、打感も飛距離も申し分ありませんでした。
けれど、どこかで“過去の自分”に縛られているような感覚がありました。ゼクシオはむしろ、今の自分には上級者向けすぎるかもしれない。だったら、いっそすべてをリセットしてみよう。そう思ったのです。
もともと私は「形から入るタイプ」の人間です。何かを始めるときはまず道具から入って、気分を高めていくスタイル。だからこそ、新しいスタイル、新しいコンセプトを取り入れてみたくなりました。
そこで目に止まったのが「ワンレングスクラブ」という新しいカテゴリーでした。
ワンレングスクラブとの出会い
ワンレングスクラブとは、すべてのアイアンが同じ長さになっているクラブのこと。具体的には、7番アイアンの長さに揃えることで、すべて同じスタンス・同じスイングで打てるという考え方です。
「番手ごとにスイングを変える必要がない」──このコンセプトは、ブライソン・デシャンボー選手の登場によって注目を集めました。まだ一般的ではないかもしれませんが、スイングの再現性が高まり、体への負担が少ない点で、特にシニアゴルファーにとっては魅力的な選択肢です。
ミズノ×ゴルフパートナーの“Sure DD”シリーズ

私が選んだのは、ミズノとゴルフパートナーが共同開発した「Sure DD」シリーズ。飛距離、安定性、やさしさを兼ね備えた設計で、何より“全体の統一感”が感じられました。
正確に言えば、ワンレングスといってもすべてが同じ長さではありません。カテゴリーごと(FW、MI、SI、WEDGE)にそれぞれ同じ長さで統一されていて、たとえば5〜7番は同じ長さ、8番〜PWはまた別の同一長さという具合。
この工夫によって、スイングの再現性を保ちつつ、距離や用途の役割分担も成り立つようになっています。

試打で感じた「これは、いける」
ショップで実際に試打してみると、普段のスイングスピードでも芯に当たりやすく、打ち出し角も安定。何より「同じ構えでいい」という安心感が、プレッシャーを減らしてくれました。
最初は正直、「ワンレングスなんてクセが強そう」と思っていました。でも実際に打ってみたら、驚くほど体に馴染んだのです。
「これは今の自分に合っている」──そう確信した私は、アイアンだけでなくフェアウェイウッドからウェッジまで、すべてのクラブを“Sure DD”シリーズにフルチェンジすることにしました。
60歳を過ぎた今だからこそ、自由に道具を選べる楽しさ
60歳を過ぎて、あまり“人目”を気にする必要がなくなってきました。若いころは、「クラブはこうあるべき」「上級者ならこのブランド」といった、ある種の“型”のようなものに縛られていた気がします。
でも今は、そういった固定観念をすべて取り払って、自分にとって本当に合う道具を選べばいい。むしろ、新しい技術やテクノロジー、理論を柔軟に取り入れていくことが大切だと感じています。
たとえば最近気になっているのが、チッパーのような“ゲテモノ”と言われがちなクラブ。以前なら敬遠していたようなクラブも、今では「面白そうだな」「使ってみたいな」と感じられる。
そして、もうひとつ大きな決断をしました。これまでのドライバーも十分に使えるものでしたが、今回の再出発にあたって、**短尺ドライバー(ショートドライバー)**への変更を決めました。
加えて、高反発モデルという選択肢も視野に入れています。ヘッドスピードが落ちてくる年代だからこそ、反発力や操作性の高いモデルは心強い味方になります。短尺ドライバーはコントロールしやすく、ミート率が上がるという点でも非常に魅力的です。
結果が良ければそれでいい。人と同じじゃなくていい。そう思える今の自分の感覚は、とても心地よく、何よりゴルフをより自由にしてくれています。
2025年版クラブセッティング紹介
今回選んだクラブを一覧にしてみました。自分に合う飛距離と扱いやすさを重視し、一本一本を納得して選んだ構成です。
| 番手 | ブランド/モデル | シャフト | 長さ | ロフト | フレックス | 飛距離(目安) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1W | ワークスゴルフ ハイパーブレード ガンマ ブラックモデル | V-spec α-3 | 43.5インチ | 10.5° | S | 約230y |
| 5W | ミズノ SURE DD 2.0 FW | EXSAR | 42.25インチ | 19° | R | 約190y |
| 7W | ミズノ SURE DD 2.0 FW | EXSAR | 42.25インチ | 23° | R | 約180y |
| 5U | ミズノ SURE DD-MI マルチアイアン | EXSAR | 38.5インチ | 22° | SR | 約170y |
| 6U | ミズノ SURE DD-MI マルチアイアン | EXSAR | 38.5インチ | 26° | SR | 約160y |
| 7U | ミズノ SURE DD-MI マルチアイアン | EXSAR | 38.5インチ | 30° | SR | 約150y |
| #8 | MIZUNO SURE DD SI | EXSAR | 36.5インチ | 31° | SR | 約140y |
| #9 | MIZUNO SURE DD SI | EXSAR | 36.5インチ | 37° | SR | 約130y |
| P | MIZUNO SURE DD SI | EXSAR | 36.5インチ | 43° | SR | 約120y |
| 52° | ミズノ SCUD ウェッジ | EXSAR | 35.75インチ | 52° | — | 約100y |
| 58° | ミズノ SCUD ウェッジ | EXSAR | 35.75インチ | 58° | — | 約80y |
道具を変えると、気持ちも変わる
新しいクラブが届くまでの間、スイング動画を見たり、練習場に通ったり、フォームを確認したり。ワクワクしながらクラブの到着を待つこの感覚は、まるで子どもに戻ったような気分でした。
ゴルフを再開する──その第一歩として、道具を変えることはとても意味があると思います。それは単なるクラブの買い替えではなく、“これからの自分”への投資であり、決意の表れなのです。
次回は、実際にこのクラブでラウンドした感触や、ワンレングスクラブならではの良い点・注意点などを詳しく書いていこうと思います。



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