第6章:メモは第二の脳。ノートやアプリの活用法
「なんでもすぐに忘れてしまうから、メモを取っている」——そんな理由でメモを使っている人は多いでしょう。でも本当に大事なのは、「忘れないための記録」だけではなく、思考を拡張するための記録です。
本章では、アナログ(紙のノート)とデジタル(アプリ・ツール)の両面から、「メモ=第二の脳」として活用する方法を紹介します。
手で書くことで思考が整理される
まず、アナログな「紙のノート」の利点から見てみましょう。手書きのメモは、ただ記録するだけでなく、考えるプロセスそのものでもあります。
アニー・マーフィー・ポールは著書『深く考える習慣(The Extended Mind)』の中で、「身体を通じた思考」の重要性を説いています。手を動かして書くという行為は、脳の複数の領域を同時に刺激し、記憶や理解、さらには創造的な発想にも良い影響を与えるとされています。
また、紙に書くことで“書いた分だけ思考が可視化される”ため、頭の中が整理されやすくなります。これは特にモヤモヤした感情や、まとまりきらないアイデアを抱えているときに有効です。
紙のノートは「電源がいらない」「集中が途切れにくい」「一覧性が高い」といった利点もあり、今なお根強い支持を受けています。
デジタルメモの利便性と進化
一方で、デジタルメモには即時性と拡張性という大きなメリットがあります。
たとえば、Google KeepやEvernote、Notionなどのアプリを使えば、メモは自動保存され、どのデバイスからでも同期・閲覧できます。さらにタグ付けや検索機能により、数年前のメモでも一瞬で呼び出すことができます。
また、音声入力や画像添付など、多様な情報形式を一つのノートにまとめられるのも大きな強みです。アイデアが浮かんだ瞬間にスマホに話しかけて保存することで、「あとで忘れてしまった」を防ぐことができます。
近年では、AI文字起こしや自動要約機能を備えたデバイスも登場しています。たとえば、PLAUD NOTEのような音声→文字変換デバイスを使えば、会話や打ち合わせの内容をリアルタイムで記録し、後から見返すことも可能です。
「自分に合ったメモ法」を見つける
アナログとデジタル、どちらが優れているかは一概には言えません。重要なのは、「自分に合った形で記録すること」です。
たとえば、
- 朝の思考整理には紙のノート
- 出先ではスマホのメモアプリ
- 長期的な情報整理にはクラウドノート
- 雑談や会議の記録には音声記録アプリ
このように、シーンに応じて記録方法を使い分けることが、思考と行動の質を高めるカギとなります。
また、記録したものを「後で振り返る習慣」も重要です。メモは記録した時点で終わりではなく、「そこから何を学び、どう行動するか」が本当の価値です。

思考の「構造化」に役立つメモ術
『ライフハック大全』(堀正岳)では、情報整理と“メモの体系化”に関する具体的な方法が多数紹介されています。
特におすすめなのが、次のようなシンプルな枠組みです:
- FIND(気づいたこと)
- THINK(考えたこと)
- ACT(次にやること)

このフレームを使えば、ただの記録ではなく、「思考の記録」「判断の記録」「行動の記録」に進化します。脳の外に“もうひとりの自分”を作るような感覚で、メモを使うことができるのです。
「記録=思考の拡張」
メモとは、“記憶を補うためのもの”という従来の考え方から、“思考を広げるための道具”へと進化しています。
書くことで考え、見返すことで気づき、構造化することで行動に変える。こうした循環を支えるのが、「第二の脳」としてのメモです。
記録は怠けでも保険でもありません。それは、**脳を守り、脳の力を最大限に活かすための「知的戦略」**なのです。
📚 関連書籍
『深く考える習慣』(アニー・マーフィー・ポール)
ノート・身体・空間・対話など、思考を広げる「外部脳」の総まとめ。メモは脳の拡張装置として働くという、新しい視点が学べる一冊です。
『ライフハック大全』(堀正岳)
デジタルとアナログの両立方法、メモの体系化アイデアが豊富。実践的なツール紹介や、日常生活にすぐ取り入れられる工夫が満載です。
次章では、脳を酷使せずに最大限活かす「まとめ」として、これまでの内容を総括し、記憶・集中・思考の資源をどう使いこなすかを一緒に振り返っていきます。



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