Part 1|考え方編 ― 再現性こそ最強の武器
1. はじめに|“月イチ”でもシングルは狙える
「月に一度しかラウンドできないから、上達なんて無理」
そんなふうに思っていませんか?
実は、それは大きな誤解です。
アマチュアゴルファーのカリスマ・久富章嗣さんは、
著書『月イチゴルファーが1年でシングルを目指す方法』の中でこう語ります。
「大切なのは練習量ではなく、“再現性”のある考え方とショットです」
本シリーズの第1回では、ゴルフ上達のための“考え方”を根本から見直すことで、
スコアが劇的に変わることを実感していただける内容を紹介します。
2. 思い込みがゴルフの上達を妨げる
ゴルフにおける最初の大きな壁――それは**「思い込み」**です。
久富氏がまず断ち切るべきだと語る思い込みは、次の2つです。
- 「まっすぐ飛ばさなければならない」
- 「飛ばせるほど有利になる」
どちらも一見正しそうに思える言葉ですが、実はアマチュアのゴルフを壊す呪文でもあります。
なぜなら、それらはスイングに力みを生み、
「最高の一打」を狙おうとする不安定なプレーを誘発してしまうからです。
3. 「打つ」「運ぶ」「止める」ショットの3段階思考
久富氏は、ゴルフのショットを3つのステージに分けて考えます。
| 段階 | 意味 |
|---|---|
| ① 打つ | ただ打って終わりのショット。行き先や再現性はあいまい。 |
| ② 運ぶ | 狙ったターゲットへ確実にボールを届けるショット。 |
| ③ 止める | グリーン上でボールを止めるプロレベルのショット。 |
▶ 月イチゴルファーに必要なのは②「運ぶ」ショット
つまり、「ただ打つ」のではなく、**“目的地までボールを運ぶ意識”**が重要だということ。
ここで必要なのは方向性と距離感の安定。
「どこに飛ぶかわからない一発」ではなく、「狙ったところに80%運べる一打」を積み上げることが鍵になります。
4. 標準飛距離でゴルフを組み立てる
ゴルフが不安定になるもう一つの原因は、“最高飛距離”を基準にした戦略です。
たとえば──
「ドライバーで240ヤード飛んだことがある」
→「だから今日は240ヤードを狙おう」
これ、実は大きな落とし穴。
240ヤードは“最高の条件が揃った一打”であり、再現性が非常に低いのです。
✅目指すべきは「標準飛距離」
- “いつでも8割の確率で再現できる距離”を使う
- たとえばドライバーであれば「150ヤード」でOK
キャリー150ヤードでもランを含めれば180ヤードは出る。
それで十分にフェアウェイをキープでき、スコアメイクが安定するのです。
5. ゴルフは「安全設計の旅」と同じ
久富氏は、ゴルフを“旅の設計”にたとえています。
- 時間ギリギリの乗換えプラン → 一つでも遅れれば崩壊
- 余裕のある計画 → 柔軟に対応できてトラブルにも強い
ゴルフでも同じ。
“ギリギリの飛距離”や“ピン狙い”に依存した戦略では、
少しのミスでOBやバンカーなど、大きな代償を払うことになります。
成功確率80%以上のショットで
コースを“安全に進める”旅――それが、安定したゴルフのカギなのです。
6. 成功率80%のショットで戦う「堅実戦略」
ここまでのキーワード「80%以上の再現性」。
では、実際にそれをどう判断するか?
久富氏は、“自己診断シート”を使うことを勧めています。
| ホール | 1打目:150Y以内FW? | 3打目:50Y以内? | 結果 |
|---|---|---|---|
| 1H | ○ | × | 5 |
| 2H | ○ | ○ | 4 |
こんな形で、自分のゴルフをデータで可視化することで、
- どこが苦手か?
- どの番手の再現性が低いか?
- どこで無理な選択をしているか?
を明確にできます。
分析して初めて、「何を改善すべきか」が分かるのです。
7. パーではなく「ボギーオン」を目指す
アマチュアゴルファーが崩れる原因の一つが「パーオン信仰」です。
「パー4だから、2打でグリーンに乗せたい」
「パー5だから、3打でグリーンを狙いたい」
その気持ちはわかりますが、パーオン=ギリギリの設計です。
▶ ボギーオンとは?
- パー4 → 3オン2パットで5(ボギー)
- パー5 → 4オン2パットで6(ボギー)
18ホール全部ボギーなら、スコア90です。
無理にパーを狙ってOBになるくらいなら、
確実なボギーオンで崩れないゴルフの方が、よほど強いのです。
8. 「フック系」を持ち球にする理由
第2回で語られていたのが、「持ち球をフックにする」という考え方。
なぜフック?
- ミート率が高くなりやすい(フェースが閉じて当たりが厚い)
- 飛距離が伸びやすい(ロフトが立つ)
- フェアウェイ幅を有効に使える
たとえば…
- 真ん中に打とうとしたら、左右に曲がると“半分しか使えない”
- フック設計なら、「右端に打って左に戻る」ので幅を最大限使える
✅練習法:アゴタッチスイングで習得
- バックスイングで左肩がアゴに触れる
- フォローで右肩がアゴに触れる
この“ハーフスイング”でフック系ショットの安定性が上がります。
9. まとめ|“再現できるゴルフ”があなたを変える
スコアが不安定な理由は、**実力の問題ではなく「設計の甘さ」**かもしれません。
- 「真っすぐ飛ばす」ではなく、「ミスの幅を管理する」
- 「最大飛距離」ではなく、「いつでも打てる距離」で攻める
- 「パー」ではなく、「安定して取れるボギー」を基準にする
久富氏が一貫して伝えているのは、
**“ゴルフは失敗を前提に戦略を立てるゲーム”**だということ。
そのためには、
- 迷いのない持ち球
- 安定したスイング幅
- 成功率80%のショット選択
これだけで、あなたのゴルフは大きく変わります。
次回予告|Part 2「マネジメント&アプローチ編」
次回はいよいよ、
「どこを狙うか?」「どう寄せるか?」をテーマにした実戦でのマネジメント技術に迫ります。
- 「150ヤードでいい」と言い切る理由
- 「ピンは狙わない」アプローチ戦略
- 「番手で打ち分ける」寄せ技術
Part 2もどうぞお楽しみに!



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