シニアの結婚をより幸せにするために:男女の違いを理解して築く良好な関係

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シニア世代での結婚や再婚に踏み切った方々の中には、「どうして相手は自分の気持ちをわかってくれないのだろう」と感じたり、「何を言っても誤解されてしまう」と思うことがあるかもしれません。年齢を重ねたからこそ、さまざまな経験を通じて培われた価値観がありますが、それがパートナーとのすれ違いを引き起こすことも少なくありません。

かつて私が仲人として活動をしていたころ、特にシニア世代の会員の方々の間で、こうしたコミュニケーションの問題を何度も見てきました。第二の人生を共にする相手との絆を深めたいという想いがあっても、根本的な男女の違いを理解していないがために、思わぬトラブルに発展することがあったのです。

その時に一番初めに読んだ本が、ジョン・グレイさんの『ベスト・パートナーになるために―男と女が知っておくべき「分かち愛」のルール』「ベスト・パートナーになるために: 男は火星から、女は金星からやってきた」という本でした。この本を通して、男女の考え方や感情の違いに気付き、カップルがより良い関係を築けるようにサポートしてきました。シニアの結婚にも応用できるこれらの知識を、ぜひ皆さんにお伝えしたいと思います。


シニアの結婚における男女の違い

男性は「頼られる存在」でありたい

シニア世代の男性も、若い頃と同じように「頼られることで生きがいを感じる」という特性があります。仲人として活動していた時、ある男性会員が「これからの人生で誰かを支え、頼られる存在になりたい」と話してくれたことがありました。彼は定年後の生活に少し退屈を感じていたのですが、パートナーが「あなたの力を貸してほしい」と頼ってくれるたびに、自信を取り戻し、生き生きとした表情を見せるようになりました。

男性は、特に退職後などに「自分の存在価値」を再認識したいという思いを強く持つことが多くなります。たとえば、家庭菜園をしている男性が、自分が育てた野菜を食卓に並べるときにパートナーから「美味しいね、あなたが作ったものは本当に新鮮で素敵だわ」と言われると、非常に誇らしい気持ちになります。こうした小さな日常の中での役割が、男性にとってはとても大切です。

また、シニア世代の男性は、家の中での修理やDIYなど、自分のスキルを活かす場面で頼られることを求めています。ある会員は、「妻が『私ではできないからお願いね』と言ってくれるだけで、自分の存在意義を感じられる」と語ってくれました。こうした頼られる体験が、男性の自信を支えています。逆に、過度に指示をされたり、細かくアドバイスをされたりすると、「自分の経験や知識が軽視されているのでは」と感じてしまうことがあります。

シニア世代の男性にとっては、これまでの人生で培ったスキルや知恵を尊重されることが、幸福な結婚生活を送る上で非常に重要です。ですので、パートナーが上手に「頼りにする」姿勢を見せることが関係を円滑にする秘訣です。

女性は「愛されている実感」を大切にする

一方、シニア世代の女性は、愛されることで心が満たされます。特に、これまで家族を支えてきた女性や、子育てが一段落して自分の時間を大切にし始めた女性は、パートナーからの愛情を感じることで、安心感や幸福感を得る傾向があります。

ある時、交際が停滞している女性会員が「これからの人生、ただ一緒にいるだけではなく、しっかりと愛されていると感じたい」と言ってくれました。彼女は、パートナーからの小さな愛情表現に敏感で、特に「一緒に散歩をしてくれる」「日常の買い物に付き合ってくれる」といった行動が大きな意味を持つと感じていました。

シニア世代では、健康や生活の変化が多く訪れます。そんな時に、「大事にされている」という実感は心の支えとなります。たとえば、季節の変わり目に「寒くなってきたね。温かくしてね」と声をかけられたり、食事を作る時に「今日は僕が手伝うよ」とパートナーが一緒に台所に立ってくれたりするだけで、女性は愛情を実感します。こうした小さな行動の積み重ねが、女性の心を満たしていくのです。


良好な関係を築くためのコミュニケーション方法

1. 男性は頼られたい生き物

シニア世代の男性にとって、「誰かの役に立っている」という感覚は非常に大切です。たとえば、庭の手入れや日曜大工をお願いされたときに、「あなたがいると本当に助かるわ」と言われると、彼の表情が一気に明るくなることがあります。男性はこれまでの経験やスキルを活かしたいと考えているので、感謝の言葉がけが一層のやる気を引き出します。

私がサポートしてきたカップルでは、女性が男性に「これ、あなたにしかできないからお願いね」と頼ることで、男性が自信を持ち、関係が格段に良くなった例が多くありました。特にシニア世代では、退職後の新たな役割として、家庭内で自分が貢献できると感じられることがとても大事です。

2. 女性は愛情表現を求める

シニアの結婚において、女性はパートナーからの愛情を実感することを何よりも大切にします。ある女性会員は、「若い頃は当たり前だった愛情表現が、年を重ねると減ってしまって寂しい」と話してくれました。そんな時、男性が日常の中で小さな愛情表現をするだけで、女性はとても幸せな気分になります。

たとえば、毎朝「おはよう」と笑顔で言ってくれるだけでも、女性にとっては大切な愛情の証です。別の会員は、パートナーがコーヒーを一緒に入れてくれるようになっただけで「自分を気にかけてくれているんだな」と安心できたと言っていました。こうしたちょっとした行動が、女性の心を温かくするのです。

さらに、シニア世代では健康のことを気にかけ合うのも愛情表現の一つです。男性が「今日は散歩に行こうか」「足元に気を付けてね」と優しく声をかけることで、女性は守られている実感を持つことができます。シニアならではの体調や健康面でのサポートが、愛情の深まりにつながります。


男女の性質に合わせた対処法

男性が疲れた時はそっとしておく

シニア世代の男性は、特に疲れを感じた時に一人で静かに過ごしたいことが多いです。私がサポートした男性会員の中にも、「趣味の釣りに出かけることで気持ちが落ち着く」と話していた方がいました。こうした一人の時間が男性にとって自己修復の時間であり、彼らの気分がリフレッシュされます。

一方、女性はこれを「冷たくされている」と感じることがあるため、男性側が「今日は少し一人で考える時間が欲しい」と丁寧に説明することで、誤解が生じにくくなります。シニア世代ならではの柔軟な理解が、夫婦関係をより良くしていきます。

女性が疲れた時は話を聞く

女性は話すことで気持ちが楽になる生き物です。シニア世代の女性は、これまでの人生経験や思い出を共有したがることも多いです。たとえば、孫の話や昔の趣味について語りたがることがあります。男性はつい「どうすれば解決できるか」を考えてしまいがちですが、ここはじっくりと話を聞くことがポイントです。

「そうなんだね、それは素敵な思い出だね」と共感を示すだけで、女性は心が和らぎます。私がサポートしたカップルの中には、男性が意識して共感の言葉をかけたことで、女性が「話を聞いてもらえて嬉しい」と感じ、二人の絆が深まった例がありました。話を聞くことが、シニア世代の心の交流を深める秘訣です。

まとめ

シニア世代の結婚でも、男女の違いを理解し、お互いを尊重することが幸せな関係を築くための鍵です。男性は頼られることで、女性は愛されることで心が満たされます。今回紹介した方法を活用して、これからの人生を共に歩むパートナーとの関係を深めてみてください。

このブログは、ジョン・グレイさんの著書『『ベスト・パートナーになるために―男と女が知っておくべき「分かち愛」のルール』「ベスト・パートナーになるために: 男は火星から、女は金星からやってきた」(Amazonリンク) を参考にしています。この本は、私が仲人としてシニアのカップルをサポートする際に大いに役立ちました。人生の後半戦だからこそ、深い絆を築いていけるよう、ぜひ知識を活かしてみてください。

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