60代で考える年金と人生の楽しみ方 – 繰り上げ受給のすすめ

お金

人生の中で、60代というのは特別な節目の年齢です。多くの人が仕事からの引退を考え始め、これからの人生をどのように楽しむか、生活をどう支えていくかを真剣に考える時期です。また、最近では60代や70代前半で突然亡くなるタレントや有名人のニュースをよく耳にします。

このような現実に触れるたびに、「自分の健康や未来が永遠に続くわけではない」と改めて実感させられます。だからこそ、健康で活動的な今を大切にし、やりたいことを早めに楽しむことが重要です。今回は、年金の「繰り上げ受給」という選択肢に焦点を当て、60代をより充実させるための具体的な方法を考えてみましょう。

繰り上げ受給という選択肢

一般的に、年金は65歳から受け取ることが推奨されていますが、60歳から繰り上げて受給することも可能です。ただし、繰り上げ受給を選ぶと、65歳から受け取る場合に比べて約24%減額されます。この減額がデメリットに思えるかもしれませんが、それを補うメリットも多いのです。

健康なうちに年金を受け取り、今の自分の生活を楽しむために使える資金を早めに手に入れることができる点は、大きな魅力です。特に60代はまだ体力があり、旅行や趣味、家族との時間など、自分のやりたいことを最大限楽しめる時期です。

健康寿命を考慮した決断

日本人の平均寿命は男性が約81歳、女性が約87歳ですが、健康で活動的に過ごせる「健康寿命」は男性で約72歳、女性で約75歳とされています。元気に過ごせる期間が意外に短いことを考えると、今のうちに年金を活用して、やりたいことにお金を使うことは賢明です。

60代で得た自由な時間と体力を最大限に活かすために、年金を早めに受け取って今の生活を充実させることが後悔のない選択肢になるかもしれません。

インフレや増税リスクに備える

さらに、将来のインフレや増税リスクを考えると、60歳から繰り上げ受給を選ぶ方が賢明な場合もあります。特に2025年以降、段階の世代が後期高齢者となることで、年金制度に大きな負担がかかると予想されています。これに伴い、年金の支給額が減少したり、実質的な価値が低下する可能性があります。

また、インフレが進むと、今の200万円の年金は数年後には実質的に160万円ほどの購買力しか持たないかもしれません。今の価値を持つお金を早めに活用し、将来のリスクに備えるのも一つの選択肢です。

サラリーマンと自営業者の年金の違い

年金の受け取り方は、サラリーマンと自営業者で大きく異なります。私自身は30年以上サラリーマンとして働いていたため、「厚生年金」の二階建て制度で年金を受け取っています。厚生年金を受け取ることで、国民年金よりも多くの年金を受給できます。

一方、自営業者の方は、基本的に国民年金のみとなるため、年金額が少なくなる傾向にあります。そのため、私的年金や投資を早めに考えておくことが重要です。自営業の方こそ、老後の生活を安定させるために早めの準備が必要です。

繰り上げ受給資金の活用 – 投資や貯蓄も有効

60歳から繰り上げて受け取った年金をただ使うのではなく、投資や貯蓄に引き当てるのも賢明な戦略です。たとえば、年間240万円の年金を5年間、年利5%で運用すると、5年間で約1,360万円もの資金を蓄えることができます。減額された年金でも、早めに受給して運用すれば、最終的に大きな資産を形成できる可能性があります。

私も実際に繰り上げ受給を行い、この考え方に基づいて資産運用を始めました。これにより、今後の生活にさらなる余裕を持たせることができると実感しています。

二重課税と消費税の負担

年金受給に際して、税金が課される点も忘れてはなりません。年金は「雑所得」として扱われ、所得税や住民税が課されます。また、年金を使う際には消費税も発生します。つまり、働いて得たお金から税金を支払った後、年金でも税金を支払わなければならない「二重課税」の状態が続いているのです。

さらに、消費税は低所得者ほど負担が重くなる「逆進性」があり、年金生活者にとっては大きな負担となります。早めに年金を受け取り、今の経済状況に合わせて使い道を考えることが大切です。

60代の今しかできないことに投資する

60代は「ゴールデンタイム」とも呼べる貴重な時期です。まだ体力があり、活動的な生活を送れるこの時期に、旅行や趣味、家族との時間を楽しむことは非常に大切です。繰り上げ受給で得た資金を、今しかできないことに使うことで、より豊かな人生を過ごすことができるでしょう。

結論 – 繰り上げ受給を前向きに検討しよう

60代を迎えた今、年金の繰り上げ受給は現実的な選択肢です。確かに年金額は減りますが、それ以上に今を楽しむための自由と資金を手に入れることができます。私も実際に繰り上げ受給を行い、そのメリットを感じています。

この記事を参考に、ぜひ年金受給のタイミングを再考し、今を楽しむための戦略を考えてみてください。

参考文献・出典

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