「どうせ死ぬんだから好きなことだけやって寿命を使いきる」和田秀樹 著 – 実践的な生き方のすすめ

シニアライフ

はじめに

「どうせ死ぬんだから」という言葉は、人生を投げやりにしているように聞こえるかもしれませんが、実は今この瞬間を大切に生きるための「魔法の言葉」です。和田秀樹氏の著書『どうせ死ぬんだから好きなことだけやって寿命を使いきる』は、この考えを基に、特に老後の生き方、何を大事にするか、そしてお金や健康との上手な向き合い方を教えてくれる一冊です。

人生の中で、どうしても先のことを考え、今の楽しみを犠牲にしてしまいがちです。しかし、この本では、未来のためだけに生きるのではなく、今の生活を豊かにし、毎日を充実させるための方法についても提案しています。特に趣味やお金との付き合い方について、実践的な内容が多く含まれているので、それを具体的に見ていきましょう。


「自尊死」を目指すためのステップ

和田氏が提唱する「自尊死」とは、自分の人生に誇りと満足を持ち、自らが選ぶ生き方で人生を締めくくることです。そのためには、自分がやりたいことを一つずつ叶えていくことが大切です。「どうせ死ぬんだから」という考えをベースに、自由に生きるための具体的な行動を紹介します。

「やりたいことリスト」を作成する

まず、やりたいことをためらわずに実行するために、人生で一度はやってみたいことや、やり残していることをリストアップしてみましょう。リストは長くても短くてもかまいません。重要なのは、自分が「本当にやりたいこと」を明確にすることです。以下のように、自分の好みに合わせてリストを書き出してみてください。

  • 行ってみたい場所:例えば、富士山の頂上、温泉巡り、ハワイ旅行など、訪れたい場所を具体的に記しておくと、実現のステップも考えやすくなります。
  • 挑戦してみたい趣味:陶芸や楽器演奏、キャンプなど、興味があるものから取り組んでみましょう。
  • 一人でやってみたいこと:ソロキャンプや映画の一気見など、自分ひとりでも満足感を得られることも良い選択です。

このように、リストを作成することで目標が具体的になり、「いつかやろう」を「今やる」に変えるきっかけになります。リストを元に、少しずつ実現させていくことで、「自尊死」すなわち自分で納得できる生き方を作り上げていくのです。

毎月ひとつは「新しい挑戦」をする

リストを作成したら、まずは「今月ひとつ、新しい挑戦」を実行するのがコツです。月単位で目標を決めると、無理なく取り組めて実現しやすくなります。たとえば、以下のような手軽な挑戦を通して、人生に新たな刺激を加えてみましょう。

  • 月に一度、新しいレシピに挑戦して食事を楽しむ
  • 新しいカフェやレストランを訪れる
  • YouTubeやブログで気になる場所を見つけ、実際に足を運んでみる

新しい挑戦は生活に刺激を与えるだけでなく、幸福度も高めてくれます。特に年齢を重ねてからの新しい体験は、脳の活性化にもつながるため、健康維持にも役立つ一石二鳥の方法です。


お金の使い方を見直して「思い出持ち」に

貯金を思い出に変えるための方法

貯金は老後のために必要ですが、和田氏は「貯金よりも思い出持ちになること」の方が大切だと説きます。多くの人が「老後の資金が心配」として節約に励んでいる中で、和田氏は「元気でいられるうちにお金を好きなことに使うことで幸せを積み重ねるべきだ」と提案しています。お金を貯めるだけではなく、次のように今の楽しみや思い出作りに使うことも大事です。

  1. 月の予算を決めて、自分のために使う
    日々の楽しみを満喫するために予算を組みましょう。毎月の収入の一部を趣味や旅行、リラックスする時間に充てると、将来の不安を抱えずに毎日を豊かに過ごせます。
  2. 小さな贅沢を取り入れる
    趣味や旅行、リフレッシュに使うと日常の幸福度がアップします。たとえば、週に1回ちょっとした贅沢ディナーを楽しむ、季節の旅行に行くといったリフレッシュが充実感をもたらします。
  3. 大切な人との思い出作りを意識する
    家族や友人と過ごす時間を大切にするのも、和田氏が勧めるポイントです。孫や子供と季節ごとのイベントや旅行に出かける、友人と食事をするなど、思い出を重ねるための工夫をすれば、人生に喜びが増えます。

節約しながら楽しむ方法

もちろん、無理な浪費は禁物です。しかし「思い出を増やすための工夫」をすれば、節約しながらも楽しみを得ることが可能です。たとえば次のような方法があります。

  • 地元の観光地や手頃な宿泊施設を探す
    有名観光地でなくても地元の良さを見つけたり、評判の良いリーズナブルな宿泊施設に泊まることで、出費を抑えつつ新たな発見ができます。
  • リサイクルショップやオンラインマーケットを活用
    趣味で使う道具や材料を、リサイクルショップで手頃に揃えることで費用を抑えつつ、満足感のある時間が過ごせます。たとえば、陶芸やDIYが好きな方は、中古の材料や工具を集めると良いでしょう。
  • 文化施設や図書館などを利用
    地元の図書館や公民館で開催される講座やイベントを活用して、新しい体験を気軽に楽しむのも一つの方法です。無料で得られる知識や体験を楽しむことで、生活が豊かになります。

このように、無理なくお金を使いながらも「思い出を増やす」ことを意識することで、資金に余裕を持ちながら豊かな生活を楽しめます。


健康と医療との向き合い方

医者に頼りきらず、「自分の生き方」を優先する

和田氏は、健康数値に過剰に依存するよりも、今の自分の体調に合った生活を大切にすることが重要だと提案しています。特に、健康診断での数値に振り回されると、不必要な治療や薬の影響で逆に体調を崩すこともあります。次のポイントを参考にし、自分の体の声を大切にしていきましょう。

  1. 普段の体調をしっかり観察する
    数値だけでなく、普段の体調を観察することが大切です。例えば、疲れやすくなったり、食欲がなくなった場合など、小さな体調の変化に目を向けることで、健康を維持するための工夫がしやすくなります。
  2. 医者の言葉に頼りきらず、体に良いと感じる生活を心がける
    例えば、無理な治療や薬を減らし、代わりに食事内容や運動を取り入れることで、健康を維持することが可能です。何かを感じたときは一人の医者に頼らず、別の医者や専門家の意見を聞くことも有益です。
  3. 自分に合った生活リズムを整える
    夜のスマホ時間を短くする、毎日の軽いストレッチを取り入れるなど、年齢に応じた無理のない生活リズムを心がけることで、心身のバランスが保たれます。

自分の空間を心地よく整え、今を楽しむ

年齢を重ねていくと、住環境が大きな影響を与えます。和田氏も、快適で安定した住環境づくりの重要性を強調しています。住環境を整えることで、生活の質が向上し、日々の満足度も上がります。

  • 趣味やリラックスできる空間を作る
    自分の趣味やリラックスできる家具を揃えることで、心地よい時間を過ごせるようになります。趣味のスペースを確保することで、毎日の生活が充実します。
  • シンプルで快適な住まい
    高齢者に適した設備や快適な家具を揃え、無理のない広さの住まいにすることが、日々の生活を楽にします。段差が少ない間取りや、無理のない管理ができる広さを選ぶと良いでしょう。

おわりに

和田秀樹氏の著書『どうせ死ぬんだから好きなことだけやって寿命を使いきる』は、特に老後の過ごし方やお金、健康について、自分にとっての「自尊死」を迎えるための手引きです。「どうせ死ぬんだから」という言葉は、今をどう楽しむかを考える力強いメッセージです。趣味やお金の使い方、医療との向き合い方を通して、いかに自分の人生を充実させるかを実践的に学べるでしょう。

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