アイドリングストップなんていらないと思った日

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車に乗り込んでエンジンをかけたら、毎回必ず押すボタンがある。そう、「アイドリングストップ無効ボタン」だ。もともとは「エコだから」と思っていた。でも、ある日を境にその考えは一変した。


■ バッテリーが上がってレッカー呼び

冬の朝、エンジンがかからなかった。寒さのせいかと思ったが、原因はバッテリー上がり。レッカーを呼ぶしかなかった。ディーラーに運ばれ、「バッテリー交換ですね」と言われて提示された金額は37,000円。はっきり言って、アホかと思った。

その後、自分でAmazonを調べてみると、同じ型のバッテリーが1万円で買える。なんなんだ、この差は。

しかも、普通のバッテリーじゃなくて「アイドリングストップ車専用の高性能タイプ」だという。それが寿命短くて3年も持たない?結局、環境にやさしいどころか、財布には超厳しい機能だったのだ。


■ 本当に燃費に効果あるのか?

よく言われるのが、「信号待ちのアイドリングを止めれば燃費が良くなる」という理屈。でも、実際には1回の信号で止めたって、節約できるガソリンなんて数cc。1日中乗っていてもせいぜい数十円レベル。それに対して、バッテリーの寿命が縮んで、スターターにも負担がかかって、最終的に数万円の出費って…コスパ最悪と言わざるを得ない。


■ 再始動のストレス

信号が青に変わってアクセルを踏むと「ブルン!」とエンジンが再始動する。この振動と音がどうしても気になる。車内で会話してても遮られるし、発進のタイミングがズレることもある。しかもオーディオやナビ、エアコンの風量が一瞬落ちるのもストレス。快適さと引き換えに、ほんのわずかな燃料を節約してるつもりなのか?


■ 夏と冬、エアコンが効かない問題

真夏の渋滞中にエンジンが止まり、エアコンから冷風が出なくなったときの絶望感。真冬には、ヒーターが止まり、窓が曇って視界が悪くなる。安全面でも問題があると思う。こうした事態を防ぐために、結局はアイドリングストップを毎回オフにする癖がついてしまった。


■ 環境への配慮と言うけれど

確かに一時的にCO2排出を減らせるかもしれない。でも、その裏で寿命が短くなったバッテリーやスターターを頻繁に交換するとなれば、製造コスト廃棄処理の環境負荷これらも含めたトータルバランスで本当にエコなのか、疑問が残る。加えて、再始動時には余分に燃料を噴射するとも言われており、「アイドリングストップ=燃費向上」とは一概に言えない。


■ メーカーも気づき始めている

最近の車種では、アイドリングストップ非搭載、または「最初からオフに設定できる」車が増えてきた。ユーザーの声や実際の使用感を反映した結果だろう。車の進化は、単に燃費数値の競争ではなく、「実用性」と「快適性」に回帰しつつあるのかもしれない。


■ 裏事情と天下りの影

ここからは少し踏み込んだ話をしよう。アイドリングストップがここまで普及した背景には、「環境対応車」としての認証取得が関係している。エコカー減税や補助金対象にするには、一定の燃費基準を満たす必要があり、アイドリングストップ機能の搭載は簡単に燃費計測値を底上げできる手段として重宝された。だが、この仕組みを認定・監修してきた一部の団体や審査機関には、元官僚の天下り先が含まれているという噂もある。技術の進化よりも、制度設計と利権の維持の方が重視されてきた側面は否定できない。また、アイドリングストップ対応のバッテリーやスターターといった「専用部品」を扱う企業にとっては、交換頻度が高いこの機能は安定した収益源になる。


■ 回転ドアの中で動く構造

まるで一度足を踏み入れたら出られない回転ドア(Revolving Door)のように、同じ人物が官僚から業界団体へ、あるいはその逆へと回り続ける仕組みが存在している。制度を作る側と、それを利用して利益を得る側が、実は「同じ人」だったというケースは少なくない。環境のため、ユーザーのためと言いながら、実際には制度の裏側で恩恵を受けているのは誰なのか。この構造を知った今、アイドリングストップ機能に疑問を持たずにはいられない。


■ 結論:もういらない機能

バッテリーを無駄に消耗し、振動や不快感を与え、エアコンの効きを悪くしてまで節約できる燃料はごくわずか。しかも、それにかかるコストは数万円単位。そのうえ裏には制度上の思惑や利権が絡んでいる可能性もあるとすれば、なおさら受け入れがたい。この機能が“デフォルトでON”である限り、私にとっては「乗ったらまず押すボタン」が増えるだけだ。

もう一度言いたい。アイドリングストップなんて、いらない。

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